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vol.1株式会社ティップネス 上野和彦様




vol.2一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム常務理事 江口靖二様【前編】




vol.3 一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム常務理事 江口靖二様【後編】

インセクトエッセイ エッセイコメント

第五回
次のステップに行くために 2019−2020

川村行治


降り注ぐ夏の日差しの強さが葉の緑と重なることで涼しげな影をより鮮やかなものにする。木漏れ日揺れる古い桜並木がある神田川の遊歩道。春の時期は椿山荘も付近にあり花見客でごった返す場所でもある。朝からの定例会議を終えた3人は、この川沿いの気持ちのよい遊歩道を地下鉄駅方面に歩きだし、整理すべき課題に対し早速あれこれと話始める。
もう昼なのだからと地下鉄の江戸川橋駅に着く前にと2人に声をかけた。
「飯でも食ってこうぜ」
途中小さな橋を渡り、早稲田大学方面に向かう。今日は家族経営で繁盛している町の中華の定食にしようか。「もう夏だなあ。こうやって毎回通っていると、この遊歩道の景色も変わり、あっという間に1年経ってしまいそうだね。いやーずっと通ってそう。」 「始まりがあれば終わりがあります。」「そうだよな。はやく仕様を決めてしまいたいもんだな。」
そんなような事を言いながらオギクボ開発の川島氏と弊社赤津と私は中華店の暖簾を潜る。


2016年にオギクボ開発と共同で開発し、プレスリリースを出した時間軸をもった4D地図サイネージ「FLOW MAP4D」だが、コンセプトが新しすぎたか、デモを開発し各社に提案をし続けたが、なかなか商用利用の契約まで漕ぎ着けることはできなかった。その後も提案する先に苦戦し、日々の他の業務に没頭している中、2018年の春頃に「プレスリリースを見たのだが」と、とある大手コンサル企業よりメールが届く。また情報交換という名のただの偵察で終わるのではと半信半疑であったが、「これはまだ名を伏せるがクライアントと我々が丁度探していた技術サービスである、もう導入先はあるのか?競合他社はいるか?これは動くのか?是非話をしたい。」という事であった。
契約までは何があるかわからず、苦い思いも何度もしているので慎重に対応させて頂きながらも、我々は内心小躍りした。いよいよだぞと。そしてこの事は新しいホテルブランドの立ち上げに伴う目玉サービスのひとつとして導入を考えていることだと理解する。この後についても、導入までの経緯は色々とあったが、具体的な事は割愛させて頂いて、これらの準備を通じて1年。ホテル開業の日が近くなるまで藤田観光さんの事務所に通い詰めることとなった。

新しいホテルブランド「ホテルタビノス浜松町」は昨年2019年夏に無事開業し、我々のサービスも「TAVINOSHIORI (タビノシオリ)」という名称のもとロビーに2機おかれ宿泊客に対しサービスインをした。続いて本年7月に浅草店も開業し同様にサービスを開始する。残念ながらコロナ禍による影響で旅行業界も苦戦を強いられているが、ホテル業界の大きな流れとして、人材の省力化を中心としたDXを伴うIT化、またそれらを活用することによる体験やサービスの拡張などを含めたサービス全体のリブランディング、リビルドを様々な大手ホテルが、構想からいよいよ実施に向け動き出していたのだ。我々のサービスもその文脈の具体としてちょうど当てはまる為、ここに来て改めて注目をされはじめていた。また、webアプリケーションであるので、様々なレイヤーでの連携が可能であり携帯連携含めサービスの拡張性があること。MaaSの文脈を考えた場合も、特許を伴う表現するCGのアニメーションは時刻表通りに飛行機や鉄道や船や人力車まで(任意で設定した散歩のコース表示も同様)3D地図上を動く訳だが、近い将来オープンデータでのAPI連携を考慮しており、豊かな表現により交通のハブになる様々な場所でのインターフェイス媒体として機能することをイメージしていた。またその地図に表現される情報のサービスプラットフォーム構想は、本年7月に「Map Experience Program」として、いち早く理解いただいたパートナー各社の参加を含め発表する事ができた。今後も様々な企業や事業社との連携を相談したい。それは様々にレイヤーされる視覚的な情報だけではなく、OTAをはじめ様々な事業者のイベントやレストラン予約への導線、携帯へのバウチャー発行などを通じて利用者に便益ある機能を実装することや、その利用実態データに応じてサービスを拡充、修正できるという、導入後FLOWMAP4Dがこのオケージョンを充分に活かした、旅ナカのサービスとして「育っていく」事が重要だからである。また、お陰様で今後も幾つかのホテルへの導入に向け作業している事もこれらを推進する大きな原動力となっている。

2018年にFFJさんと大きく発表させていただきながらも時間がかかってしまった、フィットネスクラブのマシンで走ると応じてポイントが溜まるという仕組みの、FLOW HEALTH TEC。ようやく本年2020年夏にエニタイムフィットネスの一部100店舗でのテスト導入が進み、各店舗多くの会員の皆様が利用し始めて頂いている。FFJ本部の皆様の推進力の助けもあり、いよいよ本格的に動き始めたのだ。
このサービスは、フィットネスクラブ産業は人々の水道やガス電気と同様に、言うなれば、「健康インフラ産業」であると感じる中で、どうやって楽しく運動体験を「継続」していくことができるかを我々なりのアプローチでサービス化しようとしたものだ。この考え方の中で、リテンションマーケティングとして従来の一過性のプロモーションやブランドイメージだけに頼ることだけではなく、最終的にはフィットネスクラブ業と隣接する生活の経済圏との繋がりをどう取り持つかという事を課題と捉え、それぞれの業態に行き交うコミュニケーションに必要な「コトバ=プロトコル」を「ポイント」と捉えたのだった。会員は自分のトレーニングの努力を楽しく、またその結果は可視化され、ポイントとして流通することが可能となる。使い方は様々であり、クラブによっては自社の設定するドネーションプログラムとなる場合もあれば、店舗間競争など様々なイベントを全国で、もしくは数店で、単店でも、いつでも任意に簡単に開催できる。また、フィットネスを親しむ層にアプローチしたい他企業とのタイアップやイベント協賛として会員に便益のあるキャンペーンを設定することもできるであろう。今後、会員が獲得するポイントはルールをもって流通をすることで、同商圏他企業同士で送客し合うことも可能であるし、行政との連携も視野にある(地方こそ必要かと思う)。じっくり取り組んでいきたいサービスである。

この頃からアプリサービス開発全般やポイントプログラムロジックに精通していたり、旅行業のキャリアがあり免許をもっていたり、建築や内装の業務に精通しているなど、それぞれ中堅の人材が新たな即戦力として弊社に加入した。違う文化であるキャリア人材の加入による化学変化は確実に起こるもので、暗黙知に違いがあるから意識あわせに意外に苦労もあるのだがそれも発見があり面白いものだ。そもそも弊社のデザイナーも過去アパレルのデザイナーでありアーティストとして今も作家活動もしているし、広報担当も地方エリアで広報を担当しつつ過去俳優業のキャリアがある。こんな小さな会社でも今やキャリアの坩堝となっている。もちろん子育て世代女性も複数いるため働き方は試行錯誤しながらも各員得意分野も活かしながら精力的に業務を推進できるようになった。今も各社員はハードワークをしているが、彼らがリーダーシップをとり、さらに輝き大きく活躍するのは、まだこれからであろう。社員は過去出入りもあったが、インセクト・マイクロエージェンシーはいよいよ全員で7名となった。片瀬事務所だけではなく、東京の拠点、神保町の事務所も引越し内装をリニューアルした。この街は雰囲気もよく(歴史のある本の街でカレーの街!)ここに構えて良かったと思う。


10年なんて、様々な事がありすぎて簡単には書ききれない事はわかっているものの、こうして思い返し、特に今思う代表的なことを文字にしてみると、改めてトライアンドエラーまたトライの繰り返しであったことや、総じて仕事が本当に楽しかったからこそ続けてこれたのだと改めて思う。特に新しい優秀な人材が入ってワイワイと忙しくしていると、人材を補強し少し強くなった弊社をさらにシャープに切れ味をよくする為にはどうするかと考える。 始まりがあれば終わりがある。法人は未来永劫生き続けていくことが使命だが、その細胞たる我々は代謝するのもまた、法人格として必要なことと思い、色々な事を思い巡らせ、今私ができる会社への最良の経営判断として、本年10月1日をもって、創業から10年勤めた社長業を交代することとした。立ち上げ時期から今まで、変わらぬ情熱をもって一切泣き言も言わず献身的にまた想像力をもって、一緒に楽しんで取組んできた赤津役員が代表取締役社長に就任する。私は創業会長として(しかしこんな小さい会社なのに会長かよと思われるでしょうが、やってみたかった。)違う形で会社をバックアップをすることに。我々の業務が継続し安定した業(なりわい)として、今少しだけ輪郭が見えてきたから、 今こそバトンを次に回すのである。



………………



神奈川県藤沢市片瀬。今年の夏は、海の家もなく砂浜は広いままだ。

東京から来たであろう、まばらにすれ違う親子やカップルは改札を出て輝きをまとう。
それはマスクをつけていてもわかる、変わらない夏の歓喜だ。
目を閉じてみる。
今日もいい風が吹いている。
さあ皆準備はできているだろう。


私は、考えうる最大級の祝辞として、馴染みのある詩を港から、
再び出港していく君に向け贈ろう。




船は港にいる時
最も安全であるが、
それは船が作られた目的ではない。

パウロ・コエーリョ







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<さいごに>

いよいよ赤津キャプテン新体制の中、インセクト・マイクロエージェンシーの次の10年に向け第2章が始まります。引き続き変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

長々と、この小さな会社の立ち上げから、簡単ではありますが10年の奮闘の経緯を書き留めることで改めて、あの時の反省と感謝を思います。またご縁がありここまで読み進めていただいて本当に感謝いたします。皆様にとって何かしらのヒントになれば。また世に数多ある小さな会社のひとつの事例として、何処かで今日も、我々のように泣き笑い情熱をもって日々孤軍奮闘している人達がいるのだろう。ということにエールを頂けたらと思います。

2020年 夏
川村行治



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